交通事故と保険

症状固定と保険会社の対応についてお話していきます

交通事故の症状固定と保険会社に対する対応

2018-08-11

交通事故の後には、被害者は病院にて治療を受けるケースが殆どです。

ただ交通事故から半年ほど経過しますと、保険会社から症状固定の話をされる事があります。保険会社としては、負担額を抑えたいからです。その時の対処法ですが、保険会社の担当者には治療継続の交渉をする事はできます。

なお、状況によっては調査もあります。その時は被害者側が協力すると、治療を延長できる可能性もあります。

治療をしばらく続けた時期での症状固定

交通事故の後でむち打ちの症状が辛い時などは、被害者としては病院で治療を受ける事になります。むち打ちだけでなく、骨折や神経症状などを治療する為に、通院し続ける方々も多いです。それで治療をしばらく続けて、例えば半年ほど経過したとします。

事故直後に比べれば、症状は改善しています。しかし完全に治った訳でもなく、一進一退の状態が続く場合があります。病院で治療を受ければ多少良くなりますが、また少し悪くなってしまう事も多いです。何回かその治療を繰り返すものの、完全には治らない事もあります。

神経障害などの症状ですと、治療開始から半年ほど経過すると、一進一退になりやすいです。病状固定とは、その一進一退の状態を指します。それ以上治療を継続しても、病状が良くなると見込めない状態です。

症状固定になると請求内容も変化する

ところで事故後に治療を受けている時には、色々な出費があります。入院費用や通院の交通費など、色々ある訳です。被害者に対しては、その出費に対する慰謝料が支払われている場合があります。保険会社からも、医療費などは支払われている訳です。

そして上述の症状固定という状態になりますと、慰謝料や賠償金に関する変化が生じます。基本的には、請求できる内容は減ります。症状固定になった後の治療費などは、請求できなくなるからです。交通費なども請求不可能になります。

ただし請求がゼロになる訳ではありません。というのも症状固定の状態ですと、完治していません。一旦は治療を受けているものの、まだ悪い状態は続いている訳ですから、後遺症がある状態とも言えます。被害者は、後遺症に関するお金も請求可能です。

いわゆる後遺障害慰謝料です。その他にも介護費や将来雑費なども請求可能ですが、治療費の請求は原則不可能です。

保険会社から症状固定の話を伝えられる

誰が症状固定を決めるかと言うと、本来は医師です。様々な側面から、医師が患者の状態を確認した上で、症状固定かどうかを判断する事にはなります。しかし医師本人から症状固定と伝えられるケースは、あまり多くありません。

どちらかと言えば、保険会社から伝えられるケースが多いです。一旦は症状固定にして、示談にしましょうと言われる事が多いです。

保険会社が症状固定の話をしてくる理由

なぜ保険会社が症状固定の話をするかと言うと、お金が関わっているケースが多いです。事故後の治療費は、自賠責保険の対象になります。事故が発生してから間もない時期の治療費は、基本的には自賠責保険で支払われています。

しかし自賠責保険には、支払える金額の上限があります。その保険で、無限に支払ってくれる訳ではありません。では上限額を超えた分はどうなるかと言うと、任意保険になります。すなわち加害者が加入している任意保険の会社が、被害者側の治療費を払う事になる訳です。

という事は、保険会社には損失が発生してしまいます。神経障害や骨折などの症状ですと、半年目が1つの目安になります。その頃には保険会社に損失が生じ始めるので、症状固定の話が出る事が多いです。症状固定が確定すると、被害者は治療費などを請求できない状態になります。

保険会社による治療費打ち切りの状態になるので、損失を回避できる訳です。

いつ頃に症状固定の話が出るか

なお症状固定の話が出る時期は、症状によって異なります。むち打ちの場合は、3ヶ月が目安になります。しかし骨折や神経障害ならば、半年程度が目安になりますし、重い骨折ですと1年が目安です。また脳機能傷害などの重たい症状は、1年以上になる事もあります。

ただ症状だけで決定される訳でもなく、他の要素も判断材料になります。例えば年齢です。若い方々の場合は、回復力が比較的強いので、早期に症状固定の話が出る場合があります。逆に年配の方々は、回復に時間がかかります。

ですから多少日数が経過した時に、症状固定の話が出る事も多いです。その他にも車の損傷状況や既往歴などがあります。

治療を続けたい旨を丁寧に伝える

ただ被害者からすると、治療費が打ち切られてしまうのも困ります。治療開始から半年ほど経過したものの、まだ痛みがある時には、通院を続けたくなる事もあります。もしも保険会社から症状固定を提案された時は、正直に自分の思いを打ち明ける方が望ましい事も多いです。

担当者との話の内容次第で、延長できる可能性があります。例えば担当者から、そろそろ治療を打ち切って示談に進みましょうと提案されたとします。その時に、「症状が辛いので、まだしばらく治療を続けたい」という旨を伝えてみる訳です。

その際に、具体的な期間を伝える方が望ましいです。「あと2ヵ月は通院し続ければ、良くなると思います」などと具体的な数字を伝える方が、保険会社も応じてくれる傾向があります。逆に、担当者に対して立腹してしまうのは、あまり望ましくありません。

まだ症状が辛いのに、治療費打ち切りの話が出ると、確かに少々困る事もあります。しかし担当者に怒ってしまうと、保険会社は強硬に対応してくる可能性もあります。症状固定が確定してしまう確率が高まってしまうので、保険会社には丁寧に対応するのが望ましいです。

医療調査には協力する

なお上述のように保険会社に伝えますと、調査が行われる場合があります。いわゆる医療調査です。保険会社としては、被害者の体調に関する状況は、常に確認しています。ただ治療を受けている本人から、上記のように「まだしばらく治療は続けたい」という申し出があった時は、調査を行う事もあります。

本当に治療が必要であるかどうかを、保険会社としては客観的に確認したいからです。状況によっては面談なども行い、調査をします。その内容に応じて、治療期間を延長するかどうか判断される事もあります。被害者としては、その調査に協力する方が良いでしょう。

協力しますと、今後完治する可能性や時期などを判断できます。その結果、明らかに治療を続ける方が良いと判断されれば、期間を延長できる事もあります。